ゴブラン織りの誕生
15世紀頃、ジャン・ゴブランという染織家がフランスにアトリエを構えた事が始まりとなり、その後ゴブラン家の工房で作られた手織りの綴織(つづれおり)の作品をゴブラン織と呼ぶようになりました。現在ではフランス国営で一般の売買はされていませんが、長い歴史と作品の素晴らしさから、このような綴織の総称として呼ばれ、現代でも広く愛され続けています。
ゴブラン織りの特徴
現在では、綴織の生地が一般的に〔ゴブラン織り〕と呼ばれています。縦糸が見えないように織り、横糸だけで絵柄を表現する技法であり、縦糸と横糸が交互に規則正しく綴られているのも特徴の一つです。そのため、裏面も表と同じように綺麗な模様で織られています。織目ががきっちりと詰まっているため、生地が固く強度があり、摩耗が少ないため、ソファなど家具の生地としても人気です。
ジャカード織りの誕生
19世紀初頭、プログラム可能な初期の織機を開発したジョセフ・マリー・ジャカール(Joseph Marie Jacquard)の名前に由来します。それまで複雑な柄を織るには非常に手間がかかっていましたが、ジャカード織機では、パンチカードで織機を制御する事が可能になり、さらなる技術の向上を遂げました。現在ではカードがデータ化され、非常に複雑な絵柄や大きな生地が、19世紀とは比べ物にならない凄まじい速さで作り出されています。
ジャカード織りの特徴
ジャカード織機で製織された紋織物が〔ジャカード織り〕と呼ばれています。織物の模様に応じて作成されたカードやデータに従い、縦糸と横糸で不規則に織り上げ絵柄を表現する技法です。そのため、表面で使わない色糸は裏面に水平方向に流れます。完成した生地は、薄手の物から厚手の物まであり、柄や色のバリエーションが豊富なため、家具の生地として用いられる事が多いようです。
豆知識
〔ジャカード〕?〔ジャガード〕???
正しくはジャカードです。
“jacquard”はフランス語でジャカールと発音し、
日本では英語風のジャカードと呼ばれています。
カタカナでは似ていますが、スペルを見ると一目瞭然。